海外でも人気!世界中を魅了する日本の「招き猫」の秘密

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日本の縁起物として親しまれてきた招き猫。実は今、海外でも「かわいくて幸せを運んでくれそう」と人気を集めています。「なぜ猫だったのか。」「いつ、どこで生まれたのか。」その背景には、日本人と猫との長い歴史がありました。

江戸時代に生まれた招き猫

招き猫のはじまりは、江戸時代までさかのぼるといわれています。
この頃の日本では、商人や町人の文化が大きく花開き、商売繁盛や幸せを願う縁起物が人々の暮らしの中に自然と根付いていきました。そんな時代背景の中で誕生したのが、片手をちょこんと挙げた愛らしい姿の招き猫です。「福を招いてくれそう」と感じさせるその姿は、人々の心をつかみ、次第に人気を博しました。もともと猫は、日本人にとって身近で親しみのある存在。守り神のような存在として大切にされてきました。そうした文化的な背景も、招き猫が広まった理由のひとつといえるでしょう。

豪徳寺と今戸神社:発祥地とされる説

招き猫の発祥地として、よく名前が挙がるのが東京都内にある豪徳寺今戸神社です。

まず豪徳寺には、こんな言い伝えがあります。江戸時代、彦根藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰りに突然の大雨に見舞われた際、一匹の猫が手招きをするように見え、その猫に従って寺に立ち寄ったところ雨をしのぐことができた――というお話です。その後、寺は繁栄し猫は「福を招いた存在」として語り継がれるようになりました。

一方、台東区の今戸神社も招き猫発祥の地とされています。浅草を中心とした町人文化の中で生まれた「今戸焼」の招き猫が人々の間に広まり、神社とともにその歴史が受け継がれていきました。

どちらの説も、江戸の暮らしが感じられる物語ですね。

農業と招き猫

招き猫の背景には、農業との深い関わりもあります。猫は古くからネズミ退治の名手として知られ、作物や貯蔵した食材を守る大切な存在でした。そのため農家にとって猫は、単なる動物ではなく、「家を守ってくれる心強い存在」として親しまれてきたのです。

こうした実用的な役割に加えて、福を招く縁起物としての意味が重なり合い、招き猫は「幸せと安心をもたらす象徴」として深く人々の暮らしに溶け込んでいきました。

明治時代以降、全国へ広がる招き猫

明治時代に入ると、招き猫は全国へと一気に広まっていきます。
鉄道の整備や物流の発展によって、人や物、文化が地域を超えて行き交うようになったことが大きなきっかけでした。商売人たちの間で「商売繁盛を願う縁起物」としての需要が高まったことも、普及を後押ししました。愛知県の常滑市や瀬戸市、石川県の金沢市など、焼き物で知られる地域では、それぞれの土地の伝統技術と結びついた個性豊かな招き猫が生まれています。こうして作られた招き猫は、今も多くの人に愛され続けています。

手の高さが表すご利益

招き猫の手の高さには、それぞれ異なる意味が込められています。

耳よりも上まで手を挙げている招き猫は、「遠くから福を招く」存在とされています。
より広い範囲から縁や幸運を引き寄せたいときに選ばれることが多いようです。

一方、耳よりも下に手を挙げている招き猫は、「近くから福を招く」といわれています。
身近な場所や現在の状況で、穏やかな幸せが訪れることを願う意味が込められています。

このように、手の高さによって願いの方向性が異なるため、人々は自分の想いや目的に合わせて招き猫を選び、商売繁盛や家庭の幸福を祈ってきました。

右手と左手で異なる意味

招き猫が挙げている手が右手か左手かによって、ご利益の種類が異なるとされています。

右手を挙げた招き猫は、「金運を招く」とされ、商売やお金にまつわる運気を高めたい人に親しまれています。

左手を挙げた招き猫は、「人やお客を招く」存在。人とのご縁や出会い、集客を大切にしたいときに選ばれることが多いようです。

中には、両手を挙げた招き猫もあり、「金運と人との縁、両方を願いたい」という想いが込められています。ただし、その姿が「お手上げのように見える」と感じられることもあり、好みや考え方によっては敬遠される場合もあります。大切なのは、意味だけでなく「見ていて心が和むかどうか」かもしれませんね。

色によって広がる招き猫の世界

招き猫は、色によってもさまざまな意味を持っています。

白い招き猫は、開運・招福を象徴し、あらゆる良い運気を招く存在とされています。

金色や黄色の招き猫は、金運アップを願う人に人気があり、商売や経済的な成功のお守りとして選ばれることが多いです。

黒い招き猫は、厄除け・魔除けの意味を持ち、トラブルや不運から守ってくれる存在とされています。

赤い招き猫は、健康や長寿を象徴し、大切な人への贈り物としても喜ばれています。

そのほかにも、ピンクは恋愛運家庭円満、青は学業成就仕事運など、色ごとに込められた願いはさまざまです。自分の気持ちに寄り添う色を選べるのも、招き猫の魅力のひとつですね。

世界で親しまれる「ラッキーキャット」

日本で生まれた招き猫は、アジア諸国や西欧諸国でも「ラッキーキャット」として親しまれています。

中国や台湾では、金色の招き猫が広く普及し商業施設や家庭の玄関先で見かけることも珍しくありません。幸福や金運を招く存在として多くの人に愛用されています。

アメリカをはじめとする西欧諸国でも、招き猫は日本文化を感じさせる親しみやすいマスコットとして受け入れられ、その愛らしい姿と前向きな意味から自然と人の手に取られています。

手の高さや左右によるご利益の違いなど、日本ならではの細やかな意味までは知られていないことも多いようです。それでも、招き猫が国や文化を越えて暮らしの中に溶け込んでいるのは魅力が世界に届いている証といえるでしょう。

日本で生まれた招き猫は、時代や国境を越えながら今も多くの人の暮らしに寄り添い続けています。形や色やデザインが変わっても、招き猫が届けてくれる「福を願う心」は、これからも変わらず受け継がれていくでしょう。

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